外側寸法が40 mmと30 mmのL字形部品を作るとします。曲げる前の板の長さはいくらでしょうか。外側寸法の合計70 mmでは長すぎます。曲げ部では材料が内側で圧縮され、外側で引き伸ばされるからです。正しいブランク長さを展開長さといい、中立軸から求めます。
中立軸
板を曲げると、板の中に短くも長くもならない層があります。これが中立軸です。その長さが部品の展開長さになります。曲げ半径が大きいと中立軸は板厚の中央にあり、半径が小さいと内側へ移ります。これを補正係数kで考慮します。
- r 内側半径(mm)、s 板厚(mm)
- k 補正係数(中立軸の位置)
- rn 中立軸の半径(mm)
90°曲げの展開長さ
各直線部は、外側寸法から内側半径と板厚を引いた長さです。これに中立軸の四分円弧を加えます。
例
板厚2 mmの鋼板、内側半径4 mm、外側寸法40 mmと30 mmのL字形部品。
rs = 42 = 2 → k = 0.65 + 0.5 · lg 2 ≈ 0.80
rn = 4 mm + 2 mm2 · 0.80 = 4.80 mm
L = (40 − 6) mm + (30 − 6) mm + π2 · 4.80 mm ≈ 34 mm + 24 mm + 7.54 mm = 65.54 mm
ブランクは65.5 mmで切断します。曲げ部中央の曲げ線は、40 mm側の辺の端から37.8 mmの位置です。
曲げ補正値で計算する
現場では、もっと簡単に「外側寸法の合計から曲げ1か所ごとに曲げ補正値vを引く」方法がよく使われます。曲げ補正値は、まさに2つの方法の差です。この例では70 mm − 65.54 mm = 4.46 mmです。
よく使う半径と板厚の曲げ補正値は表にまとめられています。それ以外の半径、内側寸法、90°を超える角度の場合は、中立軸から自分で計算します。
最小曲げ半径とスプリングバック
曲げがきつすぎると、板の外側に割れが生じます。そのため材料ごとに最小曲げ半径があり、板厚とともに大きくなります。曲げ線が圧延方向と平行な場合は、直角な場合より大きな半径が必要です。
曲げた後、板は少し戻り、角度がわずかに開きます。その量は材料、半径、板厚によって変わります。強度の高い材料や大きな半径ほど、スプリングバックは大きくなります。そのため少しだけ曲げすぎておき、最初の部品で測定します。
よくある間違い
- 外側寸法をそのまま足す:ブランクが曲げ補正値の分だけ長くなります。
- 内側寸法と外側寸法を混同する:辺が内側で寸法記入されている場合、そこではr + sではなくrだけを引きます。
- 中立軸を常に中央と仮定する:半径が小さいとブランクが長くなりすぎます。この例では65.54 mmではなく65.85 mmになります。
- 曲げ角度と開き角を混同する:開き角120°の部品は、60°だけ曲げます。
- 曲げ補正値の符号:表のvが正の数で記載されていれば、足すのではなく引きます。
- 圧延方向を見落とす:曲げ線が圧延方向と平行だと、直角方向なら問題ない半径でも板が割れます。
よくある質問
なぜ「展開長さ」と呼ぶのですか?
部品を再びまっすぐに伸ばしたときの長さ、つまりブランクの長さだからです。
曲げが複数ある場合にも使えますか?
はい。すべての直線部とすべての円弧を足します。曲げ補正値を使う場合は、曲げ1か所ごとにvを1つ引きます。